女性として新たに生きることを決意したメキシコ最恐の麻薬王と、彼女との出会いで運命を切り開いていく3人の女性たちの姿を名匠ジャック・オーディアール監督がミュージカル仕立てで描いた全く新しい異色の感動作『エミリア・ペレス』。今年度のアカデミー賞®では、候補作品の中で最多となる12部門13ノミネートを果たすだけでなく、さらに非英語映画として、『グリーン・デスティニー』 、『ROMA/ローマ』の10部門ノミネートを更新し、“非英語映画歴代最多ノミネート”という快挙を達成するなど、大きな話題を集めた本作が、2部門で受賞となった。

本作で、第82回ゴールデングローブ賞のほか、第30回クリスティクス・チョイス・アワード、第78回英国アカデミー賞、第31回全米映画俳優組合賞(SAG賞)など、数々の映画賞で助演女優賞を総なめし、助演女優賞プレゼンターのダヴァイン・ジョイ・ランドルフからは、「あなたは私たちを旅に連れて行ってくれました、恐れを知らず、観ていて心から感動しました。」と評されたゾーイ・サルダナは、念願の初のオスカー受賞。スピーチでは涙ながらに喜びを爆発させ「お母さん!!今日は母が、家族全員が来ています。本当に光栄です。アカデミー、ありがとうございます。女性の、リタのような静かなる存在に注目してくれました。候補者の方、コミュニティの皆様、ありがとうございました。ジャック・オーディアール、私に興味をもってくれたこと、心から感謝しています。キャスト・クルーの皆さんとこの賞を共有したいです。サポートをありがとうございました。私がこれまでやってきたことはすべて皆さんのおかげです。私の祖母は、1961年にこの国にやってきました。私は移民の両親の誇り高き娘です。夢を抱え続け、一生懸命に仕事をしてきました。そして、ドミニカ共和国国籍で初めてアカデミー賞で受賞しましたが、これが最後ではないと信じています。私がこのような賞を手にすることができるということ、スペイン語で演じるという役割をもったこと、私の祖母は光栄に思ってくれると信じています。ありがとうございました。」と自らのルーツと、スペインの女性を演じるという本作での役割を重ねて万感の思いを語った。

また、ゾーイ・サルダナと主演のカルラ・ソフィア・ガスコンが歌う「El mal」が歌曲賞を受賞。音楽を担当したフランスのクレモン・デュコルとカミーユも初のオスカーに輝いた。
3月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開