ヒトラーを欺いた黄色い星
©Peter Hartwig
2018年7月28日(土)公開
第二次世界大戦下の1941年から1945年にかけて、ナチスに虐殺されたヨーロッパのユダヤ人は約600万人と言われている。そのうち16万人がドイツ国籍を持っており、ドイツ系ユダヤ人の国外移住は禁じられ、違法ルートでの脱出もほぼ不可能だった。そして1943年6月19日、ナチスの宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスは、ドイツの首都ベルリンからユダヤ人を一掃したと正式に宣言した。
しかし事実はそうではなかった。約7000人ものユダヤ人がベルリン各地に潜伏し、最終的に約1500人が戦争終結まで生き延びたのだ。ユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れる極限状況のもと、彼らはどのようにして身分を隠しながら住みかや食料を確保し、恐ろしいゲシュタポの手入れや密告者の監視の目をすり抜けていったのか。