蜷川幸雄シアター「ヴェニスの商人」
貿易都市ヴェニス。ある日、貿易商を営む裕福な紳士アントーニオのもとに、年下の親友バサーニオが借金を申込にやってくる。彼は莫大な財産を相続した才色兼備の貴婦人ポーシャにプロポーズしようとしており、そのための資金をアントーニオに頼ってきたのだ。生憎と全財産が海を渡る船の上にあったアントーニオは、自らを保証人として借金するよう、バサーニオに勧める。ところが、バサーニオが借金を申し込んだのは、よりによってアントーニオの天敵、高利貸のシャイロックで、ふたりは期日までに金を返さなければ、アントーニオの胸の肉1ポンドをシャイロックに与えるという条件で合意する。バサーニオはポーシャに求婚するため彼女のもとへ向かうが、ポーシャの亡き父は、彼女の求婚者たちに金、銀、鉛の3個の小箱からひとつを選ばせ、正しい箱を選んだ者と結婚するよう遺言を残していた。バサーニオは箱選びに見事に成功し、ポーシャと結ばれるが、そこにアントーニオの船がすべて難破したとの知らせが届き…。