ねぼけ
(C)壱岐紀仁/映画「ねぼけ」製作委員会
三語郎は酒に逃げ女に逃げ、稼ぎもなく、落語と向き合えない自堕落な日々を送る。恋人の真海はささやかな幸せを願い孤軍奮闘するが、想いも虚しくお互いの気持ちはすれ違うばかり。そんな二人はわだかまりを抱えたまま、未だ結婚に踏み切れていない。
点雲師匠は弟子の三語郎にしっかりしてほしい一心で「正面を切れ!」と叱咤するが、三語郎は師匠の思いを分かっていながら、逃げて逃げて逃げまくった挙句、無邪気な弟分の小万亀の彼女である砂織に手を出してしまう始末。だが、心に暗い闇をもった砂織の本性に三語郎は翻弄され、いよいよ泥沼にはまってしまう。
そんなある日、苛々の募った三語郎はカッとなって、真海の心を引き裂いてしまう。哀しみで我を失った真海は、忽然と三語郎の前から姿を消してしまう。三語郎は真海を失って初めて、彼女の存在のかけがえのなさに気付いて打ちのめされ、覚悟を決めて彼女の故郷へと向かう。そして三語郎は、神話の海辺で、初めて真海の秘められた過去を知ることになる。