鳴門の花嫁

(C)KADOKAWA 1959
盛装の花嫁をのせた漁舟が逆巻く鳴門の渦潮に呑まれんとした一瞬、一人の浪人が身軽に乗り移って救った。しかし花嫁は殺されていた。これより先--三万両の公金を積んだ幕府御用船梵天丸が暴風に遭遇した。徳島藩町奉行郷田主水は廻漕問屋鳴門屋に救助を命じた。しかし救われた三人の武士は鳴門屋の雇い浪人室井一角に殺された。国家老稲葉内膳正が件の書状を焼こうとした時、躍り出た士井源之助がこれを奪い去った。

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