マルタ

ノワール系の作家コーネル・ウールリッチの短篇に似ていると出版社から抗議を受け製作側が改めて映画化権を獲得したいわくつきの1本。 世間知らずのブルジョワ娘が結婚した男は潔癖症のサディスティックな男。設定の不条理さが‘70年代ドイツ市民社会の抑圧された結婚生活を辛辣にあぶりだす。マーティン・スコセッシ、フランシス・フォード・コッポラの作品で世界的な撮影監督となったミヒャエル・バルハウスによる鏡を多用した映像がヒロイン、マルタの孤独な内面を見事に表現。イプセン作「人形の家」のブラック・ヴァージョンともいえる本作は、エキセントリックなメロドラマでありながら心理サスペンスの要素も加味された傑作!

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