シムソンズ

伊藤和子は、北海道常呂町の地元の高校に通うごくごく普通の女子高生。これといって将来の夢もあるわけでもなく、平凡な毎日を過ごしていた。常呂町は広大な土地と、オホーツク海しか無い小さな町で、自分の将来にちょっぴり焦りも感じている。常呂町にたった一軒の喫茶店『しゃベりたい』で、名物“流氷ソーダ”を飲みながら、親友の林田史江とおしゃべりをしてストレスを発散している。ある日、98年の長野冬季オリンピックに出場した常呂町の英雄、加藤真人が、地元のTVニュースに出ていた。和子にとっての唯一の刺激、それが和子のヒーロー“マサト様”だったのだ。加藤真人が凱旋試合を行いに“常呂町カーリングホール”に帰ってくると、TVのニュースは伝えていた。和子は、史江を引き連れて、真人の凱旋試合の応援へと出かけた。そこで和子は、真人と親しげに話しをしている同級生の、尾中美希を見つける。美希は、参加チームの中でも有力候補とされていたチームのメンバーだった。彼女はどうやらチームを脱退するようだった。そこに、“マサト様”本人が和子の前に現れ、カーリングチームをつくらないかと声をかけてきた。取りあえず、進学を目指していた親友の史江を巻き込み、農場の娘、小野菜摘を誘い3人揃った。翌日、残る一人のメンバーを、真人が紹介するという。約束の場所へ行くと、そこにいたのはあの尾中美希だった。そこで、コ一チとして現れたのは、無精ひげにダサいジャージ姿の漁師をしている平太。とにもかくにもカーリングチーム『シムソンズ』が結成された。北海道大会に向け、彼女たちは走り出したのだ!