パープル・バタフライ
1928年、満州。伊丹は満州鉄道会社の通訳として働く父親と共に暮らす日本人。まだ少女のようなあどけなさが残るシンシア。二人は恋人同士。シンシアの兄は、日中関係が緊張する中、地下活動に身を投じていた。ある日、伊丹が日本軍に召集された。いつかこの日が来ることを二人は恐れていたのだ。旅立つ伊丹の約束の時間にシンシアは現れなかった。彼女は行き交う人影から泣きながら伊丹を見送るのだった。そんな彼女にさらなる悲しみが襲いかかった。彼女の目の前で、日本の愛国主義者が兄を暗殺したのだ。1931年、上海。永々の愛を誓いあったスードゥとイーリンがいた。日本軍によって占領された街は、激しい抗日運動が渦巻いていた。ある日、イーリンは上海を離れていたスードゥーを迎えに駅へ向っていた。列車の中でスードゥーは、間違えて隣の男の上着を着てホームに立った。胸には蝶のブローチが付いていた。上着の持ち主はテロ組織パープル・バタフライが雇った殺し屋だったのだ。その組織の中には、あのシンシアがディンホエと名を変えて、主要メンバーになっていたのだ。待ち伏せていた諜報機関とパープル・バタフライの銃撃戦。そんな中にイーリンは巻き込まれ、スードゥーの目の前で絶命する。そして、彼は、諜報機関から疑われ、パープル・バタフライからもマークされたのだ。スードゥーは、やがてディンホエに反発しながらも、惹かれ始めていく。一方、伊丹は陸軍秘密諜報部員となり山本の下で活動していた。やがて彼らは再会する。しかし、お互いにもう一つの顔を隠したまま愛と使命の間で心は揺れているのだった。ついにパープル・バタフライは山本の暗殺決行の日を決める。ディンホエ、伊丹、復讐に燃えるスードゥの運命は?
- 公開日
- 2005年11月12日(土)
- 監督
- ロウ・イエ
- 脚本
- ロウ・イエ
- 撮影
- ワン・ユー
- 音楽
- ジョージ・レンバーグ
- 製作年
- 2003
- 製作国
- 中=仏
- 原題
- PURPLE BUTTERFLY/紫胡蝶
- 上映時間
- 127
- INTRODUCTION
- 激動の時代の上海を舞台に、運命に引き裂かれる恋人たち。アジアの宝石チャン・ツィイー主演のラブ・サスペンス。監督は「ふたりの人魚」(98)でロッテルダム映画祭でタイガーアワード、パリ国際映画祭でグランプリ・主演女優賞を受賞した、ロウ・イエ監督。本作では、歴史を再現するのではなく、ストーリーそのものを語りたいという考え方のもと、できるだけ自然な印象を目指したという。特殊効果には一切頼らないで描いている。撮影監督は、「ふたりの人魚」(98)、「非常夏日」(00)、「たまゆらの女」(03)のワン・ユー。本作では、深度の浅いレンズを使って、意図的に焦点を合わさなかったり、不明瞭が画像を作って、雰囲気を出し、またバックライトなどでフィルム・ノワールをイメージさせている。ロケは南京、上海などで敢行された。愛と任務の板挟みになる伊丹役には、「桜桃の実る谷」「東京攻略」で中国での知名度が高い仲村トオルが演じている。シンシア役には、チャン・ツィイー。チャン・イーモウ監督「初恋のきた道」(99)で鮮烈なデビューを飾り、「グリーン・デスティニー」(00)、「HERO」(02)、「LOVERS」(04)、「SAYURI」(05)など数々の話題作で、国際派女優として活躍している。スードゥー役には「山の郵便配達」(98)、「小さな中国のお針子」(02)のリィウ・イェ。「藍宇 情熱の嵐」(01)では香港金馬奬主演男優賞を受賞している。他に、「夢幻百花」(02)のフェン・ヤンチェン、「ただいま」(99)のリー・ビンビンなど演技派が揃った。
- STORY
- 1928年、満州。伊丹は満州鉄道会社の通訳として働く父親と共に暮らす日本人。まだ少女のようなあどけなさが残るシンシア。二人は恋人同士。シンシアの兄は、日中関係が緊張する中、地下活動に身を投じていた。ある日、伊丹が日本軍に召集された。いつかこの日が来ることを二人は恐れていたのだ。旅立つ伊丹の約束の時間にシンシアは現れなかった。彼女は行き交う人影から泣きながら伊丹を見送るのだった。そんな彼女にさらなる悲しみが襲いかかった。彼女の目の前で、日本の愛国主義者が兄を暗殺したのだ。1931年、上海。永々の愛を誓いあったスードゥとイーリンがいた。日本軍によって占領された街は、激しい抗日運動が渦巻いていた。ある日、イーリンは上海を離れていたスードゥーを迎えに駅へ向っていた。列車の中でスードゥーは、間違えて隣の男の上着を着てホームに立った。胸には蝶のブローチが付いていた。上着の持ち主はテロ組織パープル・バタフライが雇った殺し屋だったのだ。その組織の中には、あのシンシアがディンホエと名を変えて、主要メンバーになっていたのだ。待ち伏せていた諜報機関とパープル・バタフライの銃撃戦。そんな中にイーリンは巻き込まれ、スードゥーの目の前で絶命する。そして、彼は、諜報機関から疑われ、パープル・バタフライからもマークされたのだ。スードゥーは、やがてディンホエに反発しながらも、惹かれ始めていく。一方、伊丹は陸軍秘密諜報部員となり山本の下で活動していた。やがて彼らは再会する。しかし、お互いにもう一つの顔を隠したまま愛と使命の間で心は揺れているのだった。ついにパープル・バタフライは山本の暗殺決行の日を決める。ディンホエ、伊丹、復讐に燃えるスードゥの運命は?
- CASTING
- ●チャン・ツィイー 1979年生まれ。99年ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した「初恋のきた道」で映画デビュー。一躍世界中から注目される。00年「グリーン・デスティニー」でトロント批評家協会助演女優賞、シカゴ映画批評家協会省新人女優賞受賞。主な出演作は「ラッシュアワー2」(01)、「MUSA武士」(01)、「HERO」(02)、「LOVERS」(04)、「2046」(04)、「オペレッタ狸御殿」(05)、「SAYURI」(05)など。 ●仲村トオル 1965年生まれ。東京出身。85年「ビー・バップ・ハイスクール」(全シリーズ6作)で映画デビュー。02年「ロスト・メモリーズ」で大鐘映画祭助演男優賞受賞。主な出演作は、「ジェネック・コップ」(99)、「東京攻略」(99)、「まだまだあぶない刑事」(05)など。 ●リィウ・イェ 1978年生まれ。98年「山の郵便配達」で中国金鶏賞助演男優賞候補。01年「藍宇情熱の嵐」で香港金武馬奬主演男優賞受賞。主な出演作は、「小さな中国のお針子」(02)、「恋の風景」(03)など。 ●フェン・ヤンチェン 人気ドラマシリーズ「Do Not Speak To Strangers」で一躍有名になる。「テン・ミニッツ・オールダー人生のメビウス」(02)の中の「夢幻百花」に出演。 ●リー・ビンビン 94年「赤い薔薇 白い薔薇」で映画デビュー。99年「ただいま」でシンガポール国際映画祭主演女優賞受賞。「独り、待っている」(04)に出演。
- 配給会社
- アスミック・エース