天上草原
- 公開日
- 2005年3月12日(土)
- 監督
- ｻｲﾌ
- 脚本
- ﾁｪﾝ･ﾋﾟﾝ
- 撮影
- ｸﾞｰﾘｰﾄｩ
- 音楽
- ｻﾝﾊﾟｵ
- 製作年
- 2002
- 製作国
- 中国
- 上映時間
- 113
- INTRODUCTION
- 中国で最初に成立した少数民族の自治区、内モンゴル自治区。美しい自然に囲まれた風景の中で、人間愛にあふれるドラマが展開していく。監督は塞夫（サイフ）と麦麗絲（マイリース）の夫婦で、共に内モンゴル生まれ。呂麗萍（ロイ・ライピン）主演の『危険的蜜月旅行（危険なハネムーン）』（87）からコンビを組み始め、数々の優れた作品を世に送り出している。主演の娜仁花（ナーレンホア）はモンゴル族の女優で、「ひまわり」という意味の名前を持っている。『草原の愛 モンゴリアン・テール』にも出演。音楽を手掛ける三宝（サンパオ）も内モンゴル自治区の出身。『あの子を探して』『初恋のきた道』をはじめ、最近の中国映画のヒット作の音楽を次々と手がけている。この作品はモンゴルに住む人々の素朴で寛容な民族性、彼らの原風景である草原の情景を忠実に描いている。目が醒めるような緑や雄大な空の青、動物たちとの共存など、画面に映し出される草原の風景はとてもこの世のものとは思えないほど美しい。物語は草原の四季の移り変わりと共に、ゆっくりと移り変わっていく。
- STORY
- 少年・フーズは、父親が監獄に入れられ、母親には捨てられ、失語症に陥ってしまった。彼は、父親の友人であるモンゴル族のシェリガンに連れられて草原にやって来たのだ。シェリガンと5年前に離婚した草原の女性・バルマとシェリガンの弟・テングリは、彼を温かく迎え入れてくれた。町から来たフーズにとってゲルでの生活は戸惑いの連続だった。そんな彼をシェリガンは荒々しく、バルマとテングリは優しく包み込んでやるのだった。年が近いこともあって、フーズは除々にテングリに対して心を開いていく。バルマに想いをよせるテングリは、彼女の気持ちが兄から離れないことを悟り、解放軍に入隊、草原を去ってしまう。ある日、シェリガンが泥酔して生死の境をさまよい、バルマの看病で命を取りとめる事件が起こった。２人はお互いの大切さを知り、再び結婚式をあげる。大地が白銀におおわれた夜、客人がゲルを訪れた。その男は顔面が焼けただれ、マスクをしている。誰もがテングリであることを直感した。テングリの傷は火事に巻き込まれた人々を助けるために負ったものだった。しかし、彼は名乗ることをしない。彼の気持ちを汲んだシェリガンらは、あえて問うことをせず温かく客人をもてなし、涙をこらえてテングリが立ち去っていくのを見守るのだった。そして、祭典の日。フーズは騎馬に出場し、なんと１位でゴールする。歓喜するバルマとシェリガン。わきあがる歓声の中、彼はついに声を発したのだった。
- CASTING
- ●バルマ：娜仁花（ナーレンホア） 1961年生まれのモンゴル族の女優。その名は「ひまわり」という意味を持つ。14歳の時に映画デビュー、『乳燕飛』（79）で主役に抜擢される。『蕭蕭（シャオシャオ）』（86）、『草原の愛 モンゴリアン・テール』（95）などに出演。 ●シェリガン：寧才（ニンツァイ） 1963年生まれ。モンゴル族の男優。上海戯劇学院を卒業。『草原の愛 モンゴリアン・テール』『西楚覇王』（TV）などに出演。 ●虎子（フーズ）：古爾斯楞（グアルスーロン） 物語では、街から草原にやってくる少年の役であるが、実際には彼は内モンゴルの出身である。 ●テングリ：（アユンガ） シェリガンの弟で彼が不在の間、バルマを助けながら共に草原で生活している。また、バルマに密かな想いをよせている。 ●サロン：（トゥメン） モンゴル出身の俳優。これまでに数々の賞を受賞してきた実力派。 物語の中では、バルマ達の住む村の隣人役として出演している。