タッチ・オブ・スパイス

世界の戦争の大部分は起こらなかっただろうと言われるほど、宗教感の違いは大きな問題を含んでいる。で、この映画の主人公はトルコのイスタンブールでスパイス店を営むギリシャ人のおじいちゃんと彼を慕う少年の思い出話というスタイルで展開していく。両国間に紛争が起こり、トルコ在住のギリシャ人たちは、強制退国させられることになり、少年は先にギリシャへ帰り、おじいちゃんを待っている。小さいときからおじいちゃんにスパイスの効用について教えられた少年は、料理を作ることにすばらしい才能を発揮し、腕をふるっておじいちゃん歓迎の料理を作るのだが・・・。この少年の作る料理が、いかにもおいしそうで、スクリーンからその香りが漂ってきそうなほど食欲をそそる。人生は料理に似ている、スパイスの使い方一つでおいしくもなり、まずくもなる。とつとつと語るおじいちゃんの言葉は、人間心理のヒダをみごとに表現している。淡々と語られていくストーリーに、ギリシャ料理の数々と、珠玉のようなおじいちゃんの言葉がちりばめられ、観るものの胸に大きな感動を響かせる。ギリシャ国内で圧倒的支持を受け、世界的評価も高い、キラリと光る宝石のような秀作。
公開日
2005年2月5日(土)
監督
タソス・ブルメティス
脚本
タソス・ブルメティス
撮影
タキス・ゼルヴラコス
音楽
アヴァンシア・レブツィカ
出演
ジョージ・コラフェイス バシャク・コクルカヤ ステリオス・マイナス
製作年
2003
製作国
ギリシャ
原題
A Touch of Spice
上映時間
107
配給会社
20世紀フォックス映画

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