血と骨
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済州島から多くの出稼ぎ労働者が大阪へとやって来た、1920年代。そこには、朝鮮人集落がつくられており、人々が助け合いながら生活していた。その中で、並外れて強靭な肉体を持ち、凶暴な感情の持ち主で極道にさえ恐れられている男がいた。金俊平である。大阪の蒲鉾工場で働く彼は、幼い娘を抱えて飲み屋を営み、必死で生きている李英姫に出会う。ひと目で気にいった俊平は、力ずくで英姫を自分のものとし、強引に結婚した。やがて花子と正雄が生まれた。しかし、大酒を飲んでは牙をむき、家財道具を破壊して外へ放り出して荒れ狂う俊平に、家族は怯えて暮らす毎日だった。英姫の連れ子である春美は、俊平の弟分の高信義と結婚。俊平は蒲鉾工場を立ち上げ、事業を動かして巨万の富を得ていた。そんな時、朴武が俊平の息子と名乗り現れるのだった。俊平が15才の時に人妻を寝取って生まれた息子だった。武は俊平の家に転がり込み、女まで呼び好き勝手に振舞う。武は、俊平から金をもらって出て行こうとするが、家族にはビタ一文使う気のない俊平と大乱闘になる。それから1年、すっかり成り上がった俊平が、家族の住むすぐ目の前に新しく家を買い、清子という若い女を囲い暮らし始めたのだ。そして、俊平は儲けた金で高利貸しへと転じていく。