北欧デンマークの新たなる鬼才・クリスチャン・タフドルップ監督の最新作『胸騒ぎ』。
解禁となった本編映像は、イタリアで休暇を満喫するデンマーク人のビャアン一家とオランダ人のパトリック一家と出会いのシーン。お互い幼い娘と息子を持つ親同士、意気投合。感じの良いパトリック夫婦に心を開いていく主人公ビャアンと妻ルイーセの様子が収められている。その数ヶ月後、パトリック夫婦から「我が家に来ませんか?」と招待を受け、オランダを訪れることにするビャアン一家。しかし、待ち受けていたのは想像を絶する恐怖の週末だった——。
脚本も手がけたクリスチャン・タフドルップ監督は、パトリックと妻カリンの人物造形について「オランダ人夫婦の違和感を感じさせる行動については、一線を超えないように意識しながら脚本を書きました。“脅威”なのか、それとも“誤解”なのか——。人間の傾向的に『自分が思い込んでいるだけかも』と先に考えてしまうと思うんです」と、違和感や不快感が自分の気のせいなのか?と思わせる絶妙なバランスを探って作りあげたと明かす。
■『胸騒ぎ』本編映像①
映画『胸騒ぎ』で、善良な家族を家に招待するオランダ人の夫婦。はじめは親切だった彼らの“おもてなし”は、徐々に違和感が積み重なっていく——。あうんの呼吸で観る者を恐怖へと誘うオランダ人夫婦パトリックとカリンを演じた二人の役者は、なんと実際に私生活でも実の夫婦!
夫パトリックを演じたフェジャ・ファン・フェットは、オランダを代表する俳優の一人。演劇アカデミーの卒業前に主演に抜擢されたマイク・ファン・ディム監督『キャラクター/孤独な人の肖像』(97)では、第 70 回アカデミー賞®外国語映画賞を受賞している。また妻カリンを演じたカリーナ・スムルダースは、16歳の頃から女優として活躍し、毎年演劇シーズンで最も印象的な主役を演じた女優に与えられるオランダの演技賞Theo dʼOrに2度ノミネートされた実績がある。見事オーディションで役を勝ち取った2人は、劇中で息のあった演技を魅せ、観客たちへ恐怖心を植え込む。
これまでも実生活でもパートナーの役者たちが息のあった演技で生み出した傑作は数多い。ここで厳選してご紹介!
■『クワイエット・プレイス』(18/ジョン・クラシンスキー監督)
エミリー・ブラント×ジョン・クラシンスキー
かすかな物音を立てただけで、恐ろしい地球外生命体に襲われてしまう世界。物音を立てないように細心の注意を払いながら生きる、孤立した一家の夫婦を演じた2人。劇中でも家族の絆の強さを見せ、作品も大ヒット。今年6月28日(金)にシリーズ最新作『クワイエット・プレイス:DAY 1』が日米同時公開も決定している。
■『パワー・オブ・ザ・ドック』(21/ジェーン・カンピオン監督)
キルスティン・ダンスト×ジェシー・プレモンス
第94回アカデミー賞より作品賞などの主要部門などで、同年度の最多ノミネートし、ジェーン・カンピオン監督が女性では史上3人目となる監督賞を受賞している本作。
カリスマ的存在で周囲から恐れられる無慈悲な牧場主フィルと彼を取り巻く人々との緊迫した関係を描いた人間ドラマ。主人公フィルの弟夫婦を演じた2人は、揃ってアカデミーでノミネート。高い演技力が評価されている。
■『アイズ ワイド シャット』(99/スタンリー・キューブリック監督)
トム・クルーズ×ニコール・キッドマン
『シャイニング』『時計じかけのオレンジ』などで知られるスタンリー・キューブリック監督の遺作。
妻から性の欲望を告白された医師のハートフォードは、嫉妬心から性の妄想にとり憑かれ、謎めいた事件に巻き込まれていく。当時プライベートでも結婚していたビックな2人は、巨匠キューブリック監督の作品で大胆かつ心理的葛藤も見事に表現。世界的ヒット作として語り継がれている。
5月10日(金) 新宿シネマカリテほか全国公開