アジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」にノミネートされていた『ゴジラ-1.0』 が、現地時間3月10日16時(日本時間3月11日8時)より始まった第96回アカデミー賞授賞式において、「視覚効果賞」を受賞した。
「視覚効果賞」(Academy Award for Visual Effects)はその年に公開された映画の中で最も優れた視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉で、アカデミー賞で最も注目される部門のひとつ。過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞してきた。ノミネート作品代表者としてアカデミー賞授賞式に参加したのは、監督・脚本・VFXを担当した山崎貴、VFXディレクターの渋谷紀世子、3DCGディレクターの髙橋正紀、エフェクトアーティスト/コンポジターの野島達司の4名。現地時間13時頃、4名は全員“ゴジラシューズ”を履いて登場。取材に来た現地のメディアを大いに沸かせた。そして授賞式の中盤、いよいよ「視覚効果賞」の発表に。プレゼンターであるアーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デヴィートは受賞作の書かれた封筒を開け、少し沈黙した後に「GODZILLA!」と読み上げた。
会場中に大きな歓声が響き渡り、その中で歓喜の表情を浮かべながら壇上に上がる受賞者4名。代表して、英語でスピーチをした山崎監督は (日本語訳) 「四十年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし私たちは今ここに居ます。この場所から遠く離れた所でVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれたよ! 最後にスタッフキャストを代表して、去年失った我々のプロデューサー、阿部秀司さんに言いたいです。「俺たちはやったよ!」 ありがとうございました!」と、溢れる喜びの気持ちを伝えた。
長い歴史を持つ「アカデミー賞」の中で、監督として「視覚効果賞」を受賞したのは『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックのみであり、山崎監督は55年ぶり、史上2人目の受賞監督。また、日本映画だけでなく、アジア圏の映画で同賞を受賞した実績はなく、映画の歴史を変える史上初の快挙となった。
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