あと半年で失踪宣言。 保険金を巡って交差する秘かな思惑が捻れていく『帰ってこなかった男』予告編とコメントが解禁!

ⓒtakayukikojima
2月25日(火)

3月28日(金)より全国順次公開される『帰ってこなかった男』より、予告編と追加場面写真、出演の宮本聖矢、米元信太郎および、ホリエアツシ(ストレイテナー)、佐藤佐吉(映画監督・脚本家)、宇治田隆史(脚本家)らの推薦コメントが届いた。

配偶者が3年以上生死不明の場合、離婚訴訟を経て離婚ができる。不在者の生死が7年間不明な場合、失踪の宣告をすることができ、死亡保険金受取人は保険金を受け取ることができる。


この法的事実を元に、ストレイテナー、柴咲コウ、the pillows、秦基博、真心ブラザーズ、°C-ute、アンジュルムなど約900本のMVやライブビデオ、CM、アニメーション、ドラマ、短編映画を監督してきた小嶋貴之が、モラルぎりぎりのグレーゾーンで己の弱さの故に追い詰められていく男の姿を描くサスペンス映画を制作。そのクオリティの高さに、感情を沸き⽴たせる日本の短編映画だけをラインナップする配信サービス「ジーンシアター」が初めて映画配給に乗り出し、セレクションに定評があるテアトル新宿での公開が決定している。

『帰ってこなかった男』予告編

<由紀夫(倉田)役:宮本聖矢>
底もなければ、蓋もない。そもそも、何もないからこそ、何も見えない。倉田(由紀夫)は記憶を失った男です。しかし人生を取り戻すために、何かを犠牲にして駆け回るような強い人間でもありません。掴まないのか、掴めないのか。目の前に差した光に腕を伸ばすだけ。僕の演じた男は、もしかしたら倉田でも、由紀夫でもないかもしれない。そして、唯一残った"今"にただ立っている。辿り着いた姿は、忘れたことを忘れようとしている様にも、見受けられます。でも立派に、人生の消失に嘆き、恐怖に苛まれ、絶望に頭を抱えたのであろうと思います。いや、そうであって欲しい。どれほど悲しかったのか。どれほど切なく、苦しかったのか。何も見えない沼のような怖さを表現するには。監督と撮影前に何度も話し合いました。この映画には、一見すると矛盾を抱えたような、個性的な登場人物がたくさん出て来ます。是非注目してみてください。そして、主人公に降りかかる災禍にのまれながら、物語を追体験してみてください。皆様のご来場、お待ちしております!

<坂本店長役:米元信太郎>
ずけずけと相手のふところに入っていく、図々しさを持った人物ですが、「軽快だけど、他者を想う」という昔ながらの暖かさある人物でもあります。フィクションとリアリティを繋げられるよう、図々しさの塩梅には気をつけました。本作は「1度の鑑賞では収まらない」作品!何が本当だったのか?もしかしたらこういうことだったんじゃ…と、考察しながら細かな情報を見逃さないように、ぜひ劇場の大きなスクリーンで何度でも見てください!

<ホリエアツシ(ストレイテナー)>
我々ストレイテナーのミュージック・ビデオを数多く手掛ける小嶋貴之監督。MVではグラフィックやエディットの妙で手腕を振るう氏ですが、今作は俳優陣の芝居に注視、表情の変化と台詞回しによって、思わぬ方へ事情が拗れていく不穏な空気感に、引きつけられます。

<宮下隼一(脚本家・映画美学校講師)>
いるべきものがいない あるべきものがない
不在のはざまから生まれる不穏、疑惑、絶望、ほのかな希望
何より、小嶋監督ならではの物語
そして何より――映画

<佐藤佐吉(映画監督・脚本家)>
意外な展開の連続に最後までぐいぐいひきこまれた。こういうタイプのサスペンス今まで見たことがない。主人公の男があまりにもゲスくて殴りたくなった

<宇治田隆史(脚本家)>
もしあなたが他人の隙間を覗いてみたいと思っているなら1時間弱というほどよい時間で味わうことができるだろう。その時抱く感情をなんと呼ぶか、ぜひ確かめてみてほしい。

<永田芳弘(映画プロデューサー)>
役者の演技、テンポと映像など小嶋さんのセンスの良さを感じさせる作品になっていると思います。主人公の愛人が暴走し始めるシーンはスリリングで滑稽で、とにかくグイグイ引き込まれました。肝心な所を絵で見せない分、不気味さが増していて、想像力を喚起させます。これって日本映画には少ないブラックな笑いに満ちた犯罪ものだと思いました。

<酒井善三(映画監督)>
前回の小嶋作品に引き続き、ある制度やルールの特異さをベースに敷き、会話劇を作るというスタイルだ。そしてそれが、ずば抜けて洗練されている。今回そのベースになる制度は「失踪して7年経たないと死亡者として保険金がおりない」というものだ。たったそこから…と誰しも思うだろう。しかし、その一見なんてことはない透明な「ガソリン」に、それぞれの人物の立場という「エンジン」を見事に配置してみせて、あっという間に小嶋流ドラマのドライブが始まっている。突飛な映像的無茶や個性に走るのでもなく、律儀な文体でもって、一見ミニマルでありながら、ルールの些細な一点から、よくぞここまでサスペンスの展開が作れるなと仰天する。その才能が羨ましい。

<末吉ノブ(映像監督/映画監督/Sprocket Holes Japan代表)>
MVという映像世界で長きにわたり監督として共に生きてきた戦友、小嶋貴之氏がついに劇場公開デビュー。小嶋監督特有の客観的でシニカルな目線が、人間の怖さとコミカルさをあぶりだしてます。サスペンスだけどなんかコミカル。小嶋さんらしいなーと!監督として普段から俳優と向き合う姿勢が、ちゃんと演技と演出に落ちてるのもとてもいいです。これからもお互いに作り続けましょう!

<野辺ハヤト(アニメーション作家、graphicデザイナー)>
ボタンのかけ違いの連続が、ほつれた糸が、まるで人間の本質を映し出すように最後まで解けず走り抜ける。客観性が担保されるブラックコメディでありながら、その群像劇は男女の温度差と冷静な眼差しに翻弄され、小嶋監督の内なるフェイクとリアルのトリックにまんまと乗せられてしまった。本人はビジュアリストではないと言うのだが、所々に差し込まれる視点には
その培ってきたDNAから溢れる、ビジュアル視点での映像の優れたエッジが読み取れる。それが映画全体の軸を鮮やかに緩やかにまとめて色をつけている気がするのは僕だけだろうか。故に劇場の大きなスクリーンで見れることが今から待ち遠しい!

3月28日(金)よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開

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作品紹介

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