話題作を次々と発表してきた柚木麻子のいちばん“危険な”作品ともいえる小説の映画化『私にふさわしいホテル』より、クリスマスの本日、のんと滝藤賢一がクリスマスコスプレをして、田中圭演じる担当編集者・遠藤に復讐をするために手を組む本編映像が解禁となった。
新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評であった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく―。
今回解禁された本編映像では、バーで偶然鉢合わせた加代子(のん)と東十条(滝藤賢一)は、遠藤(田中圭)が裏で自分たちの小説を酷評しているところを目撃する。屈辱を感じた2人は、遠藤への復讐を決意し、手を組むことに。遠藤が唯一こだわっているのは、子供たちにサンタクロースを信じ込ませること。その事実を知った加代子は、「サンタクロースなんて存在しない」と子供たちにバラすという、なんとも大胆な作戦を企てる。あの東十条でさえ、「君は性格が悪いな。」と言わしめるほどだ。
■『私にふさわしいホテル』本編映像
トナカイの格好をした加代子とサンタクロースの格好をした東十条は、遠藤の留守を狙い子供たちのいる部屋へ向かう。しかし期待とは裏腹に、「何かご用ですか」と子供たちの反応はかなり冷静だった。加代子は一生懸命演技をして部屋の中に入れてもらえるようにいうが、「知らない人を中に入れてはいけないと言われているのだよ」とあしらわれる。加代子は「知らない人じゃないでしょ?みんな大好きサンタさんだよ?」と必死に演じるが、「去年のサンタさんとは随分違うんですね」と皮肉たっぷりに返す。東十条もフォローを入れて、オモチャをプレゼントしようとするが、「去年のサンタさんは外国人のおじさんで太っていて、お芝居ももっと上手でしたよ。もしかしてお部屋を間違えてるんじゃないですか?パパがこんな大根役者を雇うはずがないです」と痛烈なダメ出しを言い放ち、「知ってるよ、サンタはお父さんなんでしょ?」と妹も核心の突く一言。「でも私たち、パパを喜ばせたいから、信じているふりをしているんだよ。パパには夢見させてあげたいから。それが子供の務めだから」と大人顔負けの言葉を放つ。そこに遠藤が帰宅し、2人は慌てて逃げ出し、計画は見事に失敗に終わるのだった。
まさに堤監督らしいコメディータッチで描かれた本作は、テンポの良い掛け合いと意外な展開で観る者を引き込む。また、のんと滝藤賢一のクリスマスコスプレ姿にも注目だ。
12月27日(金)全国ロードショー!